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元の傷の境界線より外側にできた瘢痕をケロイドと呼び、皮膚の高さより上にあって元の傷の境界線内にできた瘢痕を過形成瘢痕と呼びます。ケロイドは元の傷の外側に、過形成は元の傷の内側にできる、と定義されています。これがケロイドと過形成の傷跡の決定的な違いです。
1. 概要と主な違い 2. ケロイドとは 3. 増殖性瘢痕とは 4. ケロイドと増殖性瘢痕の類似点 5. 並置-ケロイドと平坦化した増殖性瘢痕 6. まとめ
上皮細胞は、組織の損傷や上皮細胞の完全性の喪失によって損傷を受けると、修復機構が自発的に活性化される。損傷が少ない場合は、組織の再生により修復されるまたは繰り返し損傷した組織炎症細胞はIL13やTGF-β**などのサイトカインを放出し、線維芽細胞をリクルートし、その後、筋線維芽細胞へと分化します。その結果、線維性組織の塊が形成されるのです。この過程を「線維化」といいます。
図01:ケロイド
この瘢痕組織が過剰に形成されたもので、瘢痕が元の傷の境界を越えて広がり、収まらないものをケロイドと呼びます。
また、過形成瘢痕は、創傷治癒の過程でコラーゲン繊維が過剰に形成された結果です。この傷跡は皮膚の上に伸びていますが、元の傷の境界を越えて伸びることはありません。
図02:増殖性瘢痕
ケロイドと増殖性瘢痕 | |
傷跡が元の傷の境界を越えて広がっているものをケロイドと呼びます。 | 皮膚の高さより上にありながら、元の傷の境界線内で成長する瘢痕を増殖性瘢痕と呼びます。 |
傷跡が元の傷の境界を越えて広がっているものをケロイドと呼び、元の傷の境界内であっても皮膚の高さ以上に成長した傷跡を増殖性瘢痕と呼びます。ケロイドは、元の傷の範囲内で成長する過形成と異なり、元の傷の範囲を超えて成長するのが特徴です。これがケロイドと過形成の瘢痕の大きな違いです。
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1 Kumar, Vinay, Stanley Leonard Robbins, Ramsey S. Cotran, Abul K. Abbas and Nelson Fausto. Robbins and the Pathological Basis of Cotran's Disease.の項参照。第9版, Philadelphia, PA: Elsevier Sanders, 2010.プリントする。