輸出価格と国内価格との比較

商品の輸出価格が生産国の国内価格と同じであることは、理論的には当然である。しかし、歴史的に見ると、この2つの価格はかなり異なっている。輸出価格は、商品生産のメカニズムをはるかに超えた多くの要因に左右される。商品の輸出価格が変化する要因を分析してみよう。

関税は、商品の輸出価格に影響を与える最も重要な要因である。同じ商品でも国によって異なる関税を課しているのは、表向きは同じ商品の国内生産者の利益を守るためである。例えば、インドで大量の鉄鉱石が発見され、ある国がインドから鉄鉱石を輸入している場合、国内生産者の利益を守るためにインドの鉄鉱石に関税をかけなければならず、そうしなければインドの鉄鉱石の価格下落により、その国の鉄鉱石生産工場が停止することになる。

ある商品の輸出価格が、国際市場における競争相手を抑止するために、表向きは国内価格よりも意図的に低く抑えられることがあります。中国はその典型的な例で、中国製の電子機器に多額の補助金を出し、国際市場で不当に優位に立ち、自国の輸出を促進させてきたのである。

輸出企業は、輸入国が課す関税によって、自分たちの商品が国内価格より高くなったことを知ると、国内市場に商品をシフトする傾向があり、国内市場での商品価格がさらに下落することになる。しかし、国際市場で品薄になると、輸出価格が国内価格よりかなり高くなり、生産者は大きな利益を得ることができる。